TC101 笹生優花が使う三浦技研アイアン

*これは2020年9月に投稿したものです

このアイアンを2ヶ月前から知っている方はかなりのゴルフギア好きに違いない。今年1月に発表された三浦技研のTC101というモデルで、いま話題の笹生優花プロが使用していることで先月から一気に注目されるようになった。三浦技研と言えば、神の手として知られる三浦勝弘氏を抜きにしては語れない。公式な発表はされていないが、若かりし頃のタイガー・ウッズのアイアンを削ったのが彼であるのは有名な話で、最近ではジャック・ニクラウスとコラボアイアンを作ったこともニュースになった。

このTC101を1月に見たとき、余りにも美しデザインに衝撃を受けた。もちろん美しさだけでなく、ロング・ミドル・ショートレンジ毎に、トゥ・ヒールへの重量配分及び重心高、インパクトポイントのフェース肉厚を設定した三浦独自の3Dフロー設計になっていて、ベストセラーのCB-1008を凌駕する性能を持つモデルだ。しかしながらコロナ禍の影響で日本に行けなくなり、このアイアンのことを忘れていた。先月、笹生プロの男前なアイアンショットに驚き、彼女がこれを使っていることを知り、再び興味が湧いてきた。

三浦技研のYouTubeチャンネルで、笹生プロのクラブセッティングが紹介されている動画がある。彼女のアイアンはロフトを標準よりフラットに調整している。つかまるイメージの顔が嫌いで、寝かすことによりそう見えなくしているとのこと。TC101の7番の標準ロフトは33度。早いヘッドスピードでダウンブローに打つプロなら34度以上でも十分な飛距離が出るだろう(笹生プロは7番でキャリー160+α,トータル170ヤード+α)。おっさんアマチュアでは到底無理な話。私のミズノ719は7番が32度で、反発力を高める素材がフェースに混合され、タングステンも入っているから距離も出て楽にボールが上がるようになっている。一方TC101の素材は軟鉄のみ。スペックだけで比較すると、TC101に替えてもスコアアップに繋がる要素は見当たらない(フェースプログレッション調節を加えた三浦独自のフィッティングには興味津々だけど)。

そうは言っても、美しいクラブを揃えてラウンドしたい。私のような道具好きのアマチュアゴルファーならほとんどがそう思っているはずだ。昔は格好良いモデルは全て難しかった。マッスルバックに勝るデザインはなかったし、軟鉄鍛造アイアンはそれに次ぐ美しさを誇っていた。だからアマチュアゴルファーは美しく難しいクラブを買って後悔し、優しいクラブに買い替えて、平均スコアが良くなるとまた難しいクラブにスイッチして後悔した。そのループの繰り返し。私も過去にツアーステージTS201に手を出して後悔し、ビジェイ・シンモデルのマッスルバックTA-1に手を出して悲鳴を上げた経験がある(どちらも素晴らしいプロダクトだが)。三浦技研のTC101はこれらのモデルに比べれば格段に優しいモデルである。軟鉄鍛造の技術は確実に進歩している。

余談だが、ロフトで面白いことがPGAで起きている。今季絶好調のブライアン・デシャンボーのアイアンは7番が29度。飛び系アイアンのロフトなのである(ちなみにドライバーのロフトは5.5)。通常、7番アイアンでは7000回のスピンが適していると言われているが、彼のヘッドスピードは非常に速いので通常ロフトだとボールが吹け上がってしまう。そこでロフトを立てて適量スピン量を計測していくと、彼の場合は番手の数マイナス1000回転(7番アイアンは6000回転、8番アイアンは7000回転という具合)がボールが最も安定することを発見した。そしてこのセッティングで成績をぐんぐん上げてツアー優勝も果たしている。もし他のプロもデシャンボーに似たセッティングにして成功したとしたら、アマチュア用クラブもまた大きく変わるのかも。。

TC101に興味は湧くが、まだ数年は自分のミズノを使い続けるだろう。その前に、師匠ジャンボ尾崎が教えているこの練習方法を自分も始めてみるか。。。

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