タイで仮面ライダーは赤蟻野郎(アイ・モッド・デーン)と呼ばれています。モッド(ドはほとんど発音しません)は蟻、デーンは赤、アイは人を侮辱するときに使う単語で、『人間以下の動物』という意味を持ちます。野郎と訳しましたが、実際はそれ以上に相手を傷つける言葉なので気をつけてください。名前としてモッド・デーンでも十分な気がするのですが、仮面ライダーが人間ではないのでこの単語が付いたのかもしれません。しかし、ドラえもんは猫(ロボット)なのにアイ・ドラえもんではなく、そのままドラえもんと呼ばれていますし、何故か仮面ライダーだけが聞こえの悪いヒーロー名なのです。昆虫だからかもしれませんね。
アイの話が先行してしまいましたが、問題はそこではありません。蟻にあります。なんでバッタではなく、蟻になってしまったのか。触覚以外、どこも蟻に似たところないのだけど。。。タイで仮面ライダーの放送が決まった時に、テレビ局のタイ人担当者が『うーん、蟻に似てるな。赤いな。そうだ!赤蟻野郎でいこう』と命名してしまったのかもしれません。そしてそれが全国に広がり、今日でも誰もが赤蟻野郎と呼んでいるのです(本当はバッタだと知っているタイ人もいますよ)。
話はここで終わりません。仮面ライダー1号がタイで大人気となり、仮面ライダー2号も高視聴率、そして仮面ライダーV3がタイに上陸したとき、局のタイ人担当者は首を傾げました。『おや?V3は1号と2号と見た目が違うぞ。。』そこで彼はようやくバッタに気づいたかというと、残念ながらそうではなく、『目や体が緑色だから、うーん、そうだ!緑蟻野郎(アイ・モッド・キァォ)でいこう』と、V3を緑(キァォ)の蟻の野郎にしてしまったのでした。
まぁ実際はどうゆう成り行きでこう命名されたのかわかりませんが、タイの仮面ライダーはそんな意味で悲劇のヒーローと呼べるのではないでしょうか。
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