『冒険の時間です。』アップルのウェブサイトには、このメッセージと共に砂漠、氷山、海中で勇ましく活動する人々が演出されています。その中には入っていませんが、実はゴルフも冒険です。えっ?と思われるかもしれませんが、私にとってゴルフは大冒険なのです。大雨や強風はもちろん、気温40度の過酷な環境の中でラウンドすることもありますし、深いラフで苦戦して、バンカーで砂まみれになり、池に落ちそうになったり、蚊や赤アリに噛まれたりしながら、シャンクしてチョロして奇声を上げ、バーディーで飛び跳ねて喜んだりしている。というわけで、冒険好きの私は、Apple Watch Ultraを9月23日の発売日にビッグカメラ有楽町店で手に入れたのでした。
一方で、ゴルフ用のGPSウォッチと言えば、ガーミンが有名です。
ガーミンのGPSゴルフスマートウォッチ「Approach」は、ゴルフに特化して開発されたデバイス。リーズナブルな価格のベーシックモデルから機能満載のフラッグシップモデルまで、幅広い価格帯で商品ラインナップがされています。
2万円台のベーシックモデルでも、ハザードやドッグレッグまでの距離を測る機能が搭載されているほか、ラウンド後のスコア管理、自分のパフォーマンス分析などのソフトも充実。さらに世界中のゴルフコースを無料アップデートしているのも嬉しい点です。
私も過去にガーミンのGPSゴルフスマートウォッチを使っていました。機能的は非常に優れていて満足していましたが、ゴルフ以外で使うことはありませんでした。日常で使えるデザインで、アプリも多いApple Watchの方が実は興味はあったのです。ところがApple Watchは稼働時間が短い。電車も乗れて、買い物も出来て、マップも使えて、睡眠も管理できるのに、翌日までバッテリーが持たない。その点だけが引っ掛かり手を出せずにいました。
その問題が、ついにこのApple Watch Ultraで解決!36時間の稼働時間を実現し、低電力設定にすると最大60時間まで使用できるのです。
果たしてApple Watch Ultraは、ゴルフのGPSスマートウォッチとしてガーミンを超えるデバイスになり得るのでしょうか。じっくり検証していきましょう!
Apple Watch用のゴルフ用アプリはたくさんあるよ!
Apple Watchには、ガーミンのように距離測定やスコア管理もできるアプリが標準装備されていません。ゴルフで使うには、サードパーティが開発したゴルフアプリをiPhoneとApple Watchにダウンロードする必要があります。サードパーティのゴルフアプリは数多くあり、いろいろ試しながら自分に合ったものを選ぶことができます。
ゴルフ用GPSアプリの選び方
ゴルフ用GPSアプリを選ぶ際に重要なのが、1)どのOSに対応しているか(アンドロイド、アップルなど)、2)スマートウォッチに対応しているか、3)日本語対応しているか、4)海外ゴルフコースが含まれているか、5)無料・有料であるかの5点です。
日本語対応のアプリの中には、日本国内のゴルフ場のみ使用可能なものもありますので、海外でゴルフをする人には向いていません。逆に海外のゴルフコースに対応したアプリには、英語しかないものもあります。そしてサービスの内容が異なる無料版と有料版があるアプリも存在します。有料版アプリは1回払いで永久に使えるものと(買い切り)、月・年額の料金形態(いわゆるサブスクアプリ)があります。
お試しアプリその1:Hole19
初めてのApple Watchなので、基本的な使い方がまだ習得できていない状態でしたが(笑)、まずはHole19というゴルフアプリをiPhoneとApple Watch Ultraにダウンロードしてみました。Hole19は無料版と有料版があり、無料版は以下の機能が使えます。
• GPSレンジファインダー:201ヶ国の4万3,000を超えるゴルフコースで、グリーンのフロント、バック、およびセンター、ならびに全ての主要なハザードおよびターゲットからのショットの距離を正確に測定できます。
• デジタルスコアカード:全てのラウンドで自分のスコアをトラッキングし、全てのゴルフショットの情報を1ヶ所に保存できます。現在、スコアリングシステムはステープルフォード方式およびストロークプレー方式に対応しています。
• Apple Watchに対応 :あらゆるゴルフコースで、GPSで測定した距離を腕元で直接確認できます。
• コースを探す:本アプリに掲載のコース評価やレビューをもとに、プレーしてみたい最高のコースを探せます。
• ライブスコアリング:Hole19-LIVEを使えば、他のゴルファーとリアルタイムで競えます。
そして有料版のプレミアムプロ(月額¥650、6ヶ月¥2,600、年額¥4,300)は、ハンディキャップ計算、友達をマッチプレーに誘ってスコアをトラッキング、ドライバーの正確性、パーオン、ショートゲーム、およびパットに関してパフォーマンス統計を表示できる機能などが満載されています。
スマホには各ホールのマップが表示されますが、Apple Watchの画面には各ホールの番号、そしてグリーンのフロント、センター、バックまでの距離が表示されるシンプルなUIデザインとなっています。
しかし49mmのUltraだと画面のほどんどが真っ黒でスカスカ状態(笑)。まぁ使えないことはないですけどね。。。
Apple Watch Ultraの画面は、ピーク輝度が2,000ニトの明るさ。直射日光の下でサングラスをしていても、はっきり見ることができました。ゴルフを含む野外スポーツで非常に便利ですね。(*Apple Watch Ultra 2はピーク輝度は3,000ニト、Apple Watch Series 8は1,000ニト、Apple Watch Series 9は2,000ニトです)
距離計測はちゃんとできる?
肝心の距離計測の精度は、どれくらい正確なのでしょう。ゴルフ用レーザー距離計測器 「Pin-Eagle」で測った距離と比べてみました(高低差測定機能はオフ)。
すると最初の計測では、レーザー距離計測器より5~10ヤードも少ない数値が表示されました。これはおかしい?調べてみると、アプリのGPS計測をiPhoneに設定していたことが原因でした(iPhoneはカートに置いてある)。Apple Watch UltraのGPSで計測するように設定を変えてみると、160ヤード以内は誤差5ヤードで、130ヤード以下になるとほぼレーザー距離計と一緒でした。アプリのピン位置がグリーンセンターであることを考慮すれば、使えるレベルだと思います。Apple Watch Ultraには、高精度2周波GPS機能が搭載されているからより正確なのかも。
ゴルフ後のバッテリー残量は?
前日の朝8時にフル充電して、その夜に睡眠を記録して、翌日の午前中にGPSを使ってゴルフをして、正午に食事をしたときのバッテリー残量はまだ48%!その日の夜も充電せずに睡眠を記録して、3日目の朝もまだバッテリーは残っていました。これなら週末に遠出してゴルフ合宿しても、充電器を持っていく必要はないですね。一方ガーミンは時計モードで14日間、GPSを使ったゴルフモードも計15時間使えるなど、Apple Watch Ultraとは比べ物にならない稼働時間を実現しています。
お試しアプリその2:Golfshot
次に別のゴルフ場で、Golfshotというアプリを使ってみました。
Golfshotは、基本的な機能はHole19と似ていますが、ウォッチ画面にも各ホールのコースレイアウトが表示され、スコア記入の操作も簡単で、非常に使いやすいアプリでした。ULTRAの大画面にもこのアプリの方が合いますね。
さらに良い点として、Golfshotはアップルのヘルスケアと連動しています。アプリを立ち上げると、自動でアクティビティに記録されていました。*ワークアウトが2つに分かれているのは、ラウンド中に私のiPhoneに電話がかかってきて、カレンダーなどをチェックしていたことでアクティビティが一時停止したためだと思われます
GolfshotのGPS距離計測機能も正確でした。ただし無料版アプリで計測できるのはグリーンのフロント、バック、およびセンターのみで、自分で選んだポイントの距離計測は有料版($8.99/月、$49.99/年→その後年額1万円に変更)が必要です。有料版はその他にもたくさん機能があり、ガーミンのオートショット機能と同様の、ボールを打つとApple Watchがセンサーで自動検出する機能も含まれています。
ゴルフ用GPSアプリの良い点と悪い点
サードパーティのゴルフ用GPSアプリの良い点は、何と言ってもその種類の多さです。いろいろ試して、自分に合ったアプリをきっと見つけることができるでしょう。無料版でも普通にゴルフを楽しむための機能(グリーンまでの距離計測とスコア管理)が備わっているアプリがほとんどです。
一方、サードパーティのゴルフ用GPSアプリの悪い点は、スマートウォッチの機種(画面の大きさ)によって表示が微妙に変わってしまうことと、無料版は池やバンカーなどのハザードまでの距離が測れず、十分な機能が揃っていないアプリが多いことです。無料版アプリはレーザー距離計測器の代用にはなりません。
それから有料版アプリのほとんどが買い切りではなく、月額などのサブスクになっているのが個人的に嫌ですね。月のラウンド数は人によって異なりますから、1日(24時間)100円とかで販売すべきです。それなら週1ゴルファーも月1ゴルファーも平等ですし、ゴルフができない冬場は課金されずに済む。そうでなければ、買い切りで販売すべきでしょう。Golfshot有料版が買い切りなら、私は購入すると思います。
Apple Watch Ultraはガーミンを超えるか?
結果を出すまえに、アップルウォッチとガーミンの起点について簡単に説明しましょう。アップルウォッチは毎日の生活に役立つスマートウォッチとしてスタートしたデバイス(端末)で、ガーミンはスポーツ専門ウォッチとしてスタートしたデバイスです。スタート地点は異なりますが、近年、アップルウォッチはスポーツ機能に力を入れ、ガーミンはSuicaやカード決済などの生活機能に力を入れ、お互いが近寄ってきているのです。なので比較するものによって優劣は変わるでしょう。
今回は、ゴルフで使う場合の比較です。Apple Watch Ultraは、ガーミンのGPSゴルフスマートウォッチ「Approach」を超えるデバイスなのか。私の個人的な意見は、以下のとおりです。
ガーミンの最も大きなアドバンテージは、ソフトウェアとハードウェアを自社で開発・管理していることです。ユーザーは購入した日から、安心して満載された機能とサービスをゴルフ場で楽しむことができる。全ての機能が価格に含まれているので、余計なことにお金を費やす必要はありません(注*モデルによっては、サブスクでグリーン傾斜が表示される機能を追加できるものもあります)。
一方、Apple Watchはサードパーティが開発したゴルフアプリがたくさんありますが、日本語に100%対応していなかったり、海外のゴルフ場情報が含まれていなかったり、無料版と有料版があったりと、選ぶのに時間がかかり余計な出費が発生する可能性があります。またサードパーティが開発したアプリは、スマートウォッチの機種により表示が微妙に変わったり、サービスが突然終了なんてこともあり、ガーミンのような安心感は得られません。さらに個人的には、ほとんどの有料版アプリが月額なのも好きになれません。ということで、安心感と快適さという点から、現時点の比較ではガーミンに軍配が上がると思います。
しかし今後サードパーティのゴルフアプリがさらに進化し、サービスも改善されれば、ガーミンを追い越すだけの機能とポテンシャルをApple Watch Ultraは持っています(スタンダードのApple Watchも同様)。Apple Watchのユーザー数は2021年に1億人を超えましたし、その中でゴルフを楽しむ人は相当数いるはず。まずは有料アプリの月額をやめて、買い切りか1回100円とかで販売してほしいものです。
Watch OS 10に期待大!
2023年秋に登場するWatch OS 10にも注目です。アップルが開催したイベントWWCD23では、ゴルフスイングで手首の角度が測定できるシーンが紹介されました。アップルウォッチのワークアウトにゴルフは含まれていますが、現在は消費カロリーや心拍数など基本的データしか測定できないので、OS10でゴルフの機能が増えることが楽しみです!ちなみに、アップルのイベントで紹介されたこのアプリは、私が試したGolfshotアプリであったことが記事になっていました。この機能が追加されたらさらに楽しくなりそうですね!
さらにApple Watch Ultraに関しては、アクションボタンを使った機能がゴルフアプリに加わることにも期待したいですね。現在、Apple Watch Ultraの売りの一つであるアクションボタンでできるのはワークアウト、ストップウォッチ、ウェイポイント、バックトレース、ダイブ、フラッシュライト、ショートカットのみ。ゴルフアプリで使うとすれば、例えばボールを打つ前にその場でアクションボタンを押すと、ラウンド後に各ホールのショットをした場所と飛距離がマップで表示されたら面白い。ショットをセンサーで自動検出するアプリはありますが、素振りがミス検出されたり、短いアプローチやパットが検出されないこともある。そこでApple Watch Ultraのアクションボタンを押して、全てを確実にアプリに記録できれば便利だと思います。
以上、Apple Watch Ultraとガーミン「Approach」のゴルフ対決、いかがでしたでしょうか。今回紹介したHole 19とGolfshot以外でオススメのゴルフアプリがありましたら、是非ページ下のコメント欄で共有していただけると嬉しいです。
【追記】ゴルフとは関係ありませんが、バンドと文字盤によってガラリと雰囲気を変えられるのもApple Watchの楽しいところですね。アップルウォッチがこの世に出て7年目にして初体験しました笑。個人的な意見ですが、Apple Watchはゴルフ以外に使える機能が豊富にあり、仕事や普段使いにも適したデザインであるのが最大の魅力。ガーミンはスポーツに向いたデザインですが、仕事にはちょっと合わないかも。
年額1万円のゴルフアプリ。驚かされたのは機能だけじゃなかった!
ここで紹介したGolfshotの有料板をサブスクして無料版と比べてみました。すると機能以外にも大きな驚きがありました!
ゴルフに最適のApple Watch用バンドを検証してみました!
Apple Watch Ultraをつけてゴルフ場で100回以上ラウンドした私が、独断と偏見でゴルフ場に適したお勧めバンドを紹介します!アップル純正バンド以外にサードパーティのバンドも多数使っていますので、参考になれば幸いです。
最後に、ガーミンの素晴らしい商品ラインナップをご紹介します(表示価格は2023年5月現在)。
epix Pro Sapphire 42mm / 47mm / 51mm
Apple Watch Ultraとガチンコ対決できるのがこれ。AMOLEDディスプレイ搭載で、明るく高精細な表示を実現し、直射日光下でも高い視認性を確保。先進のトレーニング機能、ゴルフを含むスポーツアプリ、ヘルスモニタリング機能で健康管理からビジネスのマネジメントまでサポート。洗練されたデザインと耐久性に優れたボディは、オンでもオフでも様々なシーンで活躍する。ベゼル部分がスチール素材のモデルもあり。
定価132,000円が9%ディスカウントの120,000円!
Approach S70 ゴルフナビGPS
2023年5月販売の最新モデル。AMOLED(有機EL)ディスプレイを採用し、ゴルフ場の直射日光下でも色鮮やかな表示ではっきりとコースの情報を確認できます。Suicaにも対応。42mmと47mmの2サイズがあります。
参考価格99,0801円が9%ディスカウントの90,727円!
Approach S62 ゴルフナビ GPS
ゴルフ機能に加えてSuicaも対応。心拍数や睡眠の質を計測できるスマートウォッチとしての機能も満載した上級モデル。稼働時間(時計モード)は14日間、稼働時間(GPSモード)は20時間。
参考価格81,800円が21%ディスカウントの64,712円!
Approach S42
眩しい太陽光の下でも、ウォッチの情報を見る際に優れた視認性を実現。グリーンビュー機能は手動で自由にピンの位置を調整でき、ガーミンオートショット機能でショットした位置や飛距離を自動で記録します。15時間ゴルフをプレーすることができるほどの長時間稼働で、ゴルフ以外の機能(スマート通知や歩数計など)ライフログ機能を利用できます。
参考価格37,800円が10%ディスカウントの33,957円!
Approach S12
pproach S12は、ティーオフ時に計測を開始できるように設計されたゴルフウォッチで、スムーズにプレーを進行できます。手元のウォッチだけで、GPSを使ってより正確に距離を測定したり、スコアを記録することができます。
参考価格25,801円が9%ディスカウントの23,343円!
APPROACH G12 ゴルフ用GPSハンディナビ
リストフリー設計でコンパクトボディ、シンプル機能で使いやすい ストップウォッチ型ベーシックモデル。薄型のGPSデバイスをポケットやゴルフバッグに取り付けると、グリーンまでの距離を一目で確認することができます。
参考価格27,800円が26%ディスカウントの20,705円!
ゴルタイのSNSをフォローしよう
ゴルタイのフェイスブック、ツイッターをフォローして、新着記事をゲットしてください。ゴルタイLINEもやってます!以下のボタンをクリックするか、QRコードをスキャンして友だちに加えてください!
コメント
私もガーミンS62持ってるんですが同じく普段遣いができる等の理由からアップルウォッチ検討中です!
今まではろくなゴルフアプリが無い、GPSの誤差が微妙とのことからアップルウォッチは眼中になかったのですが、ウルトラの発売と楽天のゴルフアプリがアップルウォッチに対応したとのことから気になり始めてます!無料だと思うんで楽天ゴルフアプリ試してみて感想教えてください!
たらお様
コメントありがとうございます。
楽天ゴルフアプリは日本国内約1,900カ所以上のゴルフ場から選べるアプリとして人気が高いようですが、私が住むタイを含む海外のゴルフ場は対応していないようです。
ここで紹介しているGolfshotアプリは日本のゴルフ場も対応しているので、これでも十分楽しめると思いますよ。
Golfshot有料版と無料版の比較レビューもしていますでこちらも参考にしてみてください!
https://golf-thailand.net/golfapp/