YouTube活用するタイのテレビ局

「動画サイトはテレビの敵」「5年連続で二桁成長のインターネット広告費が地上波テレビ広告費を追い越す日はいつか」など、日本では地上波テレビと動画サイトを切り離して比較しますが、タイでは状況がかなり異なります。

現在、タイのテレビ局の多くはYouTubeにアカウントを持ち、放送された番組を随時アップしています。日本では、見逃したくない番組は自宅で録画して後で見るのが普通ですが、タイではそんなことをする必要はありません。動画サイトにアップされた番組を、誰もがいつでもどこでもスマホで観ることができるので、見逃すということがないのです。

放送中の番組を、YouTubeやLINE TVなどでライブ配信しているテレビ局も今では多々あります。この方法で最初に成功した番組は、Workpoint TVで放送された「The Mask Singer」でした。韓国のテレビ番組「King of Mask Singer」のコンセプトを元に2016年から放送されている番組で、仮面をした者たちがトーナメント方式で歌唱パフォーマンスを競い合い、負けた者が仮面を外して正体を表すというもの。その中には有名企業の社長、俳優、スポーツ選手、コメディアン、昔売れていた有名歌手など、意外な人が多く人気の火付けとなりました。

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凝りに凝った迫力のあるステージも人気となった理由の一つです。

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たまたまタイに来ていたアメリカのテレビプロデューサーがこの番組を見て衝撃を受け、2019年からアメリカで同様の番組を始めたなんてエピソードもあります。

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出所:https://www.facebook.com/TheMaskSingerTH/

放送開始当初は地上波のみでしたが、その後YouTubeに公式チャンネルを設けると、以下の順番で配信していきました。
1)テレビとYouTubeで同時放送。地上波のCM中は、YouTube配信用の司会がトークしたり別枠のCMを流す。
2)放送後にYouTubeからライブ動画は削除されるが、約24時間後に、歌われた曲ごとに短く編集された動画が分割されてYouTubeに配信される。(その後12時間後にアップ時間が短縮された)
3)分割動画が配信された後に、完全版が配信される。
編集したコンテンツを分割し時間差でアップしていくことで、放送1回分の総再生数を稼いでいる。Workpoint TVは他の番組もこの方法で配信し、YouTubeチャンネル登録者数は2680万人に達した(2020年1月現在)。フェイスブック(いいね309万人)やLINE TVなどのSNSも巧みに使っています。

最後に「The Mask Singer」の人気動画をいくつか紹介します。この番組の素晴らしいところは、歌唱力だけでなく、ステージと出演者のコスチュームに凝りまくっているところです。知らないタイ語の曲でも、十分に楽しめるエンターテイメントになっています。日本でもこんな番組を作れば絶対に当たると思いますね。そして将来的にはタイのように動画サイトを利用した局が出てくるなんてことも。。。




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