タイ政府は、外国人観光客に向けて、14日間の隔離を含む長期ツーリストビザを導入することに合意した。滞在期間は90日間。入国日から14日間は指定場所で隔離されるほか、滞在予定のホテルまたはコンドミニアムに支払った領収書など、住居を証明する書類を提出することが発券の条件となる。90日後さらに延長を望む者は最長で180日延長することができ、合計270日間タイに滞在できるというスペシャルビザだ。
タイ国政府観光庁は、週100~300人の外国人観光客の入国を目標にしている。その一方で隔離場所やPCR検査をする場所と機関、仮に感染が確認された場合の処置など具体的なことはまだ発表されておらず、ビザ導入日も未定だ。
欧州からタイを訪れる観光客には、1ヶ月以上滞在する者が以前から少なからずいた。日本人も、例えば定年退職していて1月から3月まで温かいタイで過ごす人もいる。9ヶ月間も滞在できるなら最初の14日ぐらい我慢できると思う観光客はいるかもしれない。中国全土で感染が拡大しはじめた頃、ダイヤモンド・プリンセス号以外に国内感染者がいなかった日本へ家族連れの中国人観光客が押し寄せたことがあったが、同様な目的でタイへ避難する人はいるかもしれない。現在タイの国内感染者は非常に少なく、他国に比べて安全と思われても不思議ではない。
観光業活性を狙うタイ政府の苦肉の策ではあるが、不安材料は多い。万が一、外国人観光客の滞在先がわからなくなったり、感染経路不明のコロナウィルスが国内で増加した場合どうするのか。PCR検査の精度を疑問視する声や、隔離期間は21日間あるべきとの意見も出てきている。
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