稲見萌寧が3勝目!堀姉妹も涙の復活

国内女子ゴルフ2戦目となる「明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント」は、稲見萌寧がリードを守りきって優勝しました。昨年プロデビューして2勝し、これで3勝目と順風満帆。ゴルタイ編集部は、稲見が今年の賞金女王になると予想していますが、こんなに早く優勝するとは驚きです!

2020年パーオン率1位のショットメーカーで、勝ち気な性格。1つ年上の黄金世代と、1つ年下のプラチナ世代に挟まれた”間(はざま)世代”なんて言われることもありますが、「(私だけ活躍して)目立てるので良い」と返したり、今大会で2日目に首位になったときも「プレッシャーは掛かれば掛かるほどよい」とインタビューで気の強さを出していました。ところがラウンド中は感情を表には出さず、常にクールに集中しているのが彼女のもうひとつの強さですね。

稲見と最終組で回っていた永井花奈は、1打差で追いつかず惜しかった。永井もプロデビューした年に1勝していますが、去年優勝はなく、喉から手が出るほど2勝目が欲しかったことでしょう。彼女は稲見と逆で、普段は愛想が良くニコニコしていますが、これまでは試合になるとイライラが顔に出るタイプでした。それを反省したのか、今季からはコースでも笑顔を絶やさないよう意識しているように見えますね。それが今回の良い結果に繋がったのかもしれません。

ゴルフスキルで稲見と永井が異なると感じたのはアイアンショット。会場の土佐カントリークラブ(高知県)は2日目と最終日、風が非常に強かったのですが、稲見のボールの方が風に強いというか、風を良く読んでいたように見えました。永井は安全に攻めたのかもしれませんが、風に苦労してピンになかなか寄りませんでした。でも2位の結果をポジティブに捉えているようで、今季は活躍しそうですね。ちなみにお父さんのラーメン屋さんは私の実家から車で10分ほどの所にあります(笑)。

それから、今大会は堀奈津佳と堀琴音姉妹の活躍もメディアに大きく取り上げられました。姉の堀奈津佳のデビューは稲見と似ています。2012年にプロデビューして下部ツアーで2勝、2013年は20才でレギュラーツアーの「アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI」と「アース・モンダミンカップ」の2タイトルを獲得し、飛ぶ鳥を落とす勢いでした。ところが、そこからなかなか3勝目に手が届かず、レギュラーツアーで見ることも少なくなっていました。今回は主催者推薦出場で、決勝進出は3年振り。これをバネにしてさらに活躍してほしい!旧友の成田美寿々もSNSで「奈津佳の復活、嬉しい」と投稿していました(成田もスランプ中で復活が期待される選手のひとり)。

妹の堀琴音は、2016年の「日本女子オープン」が忘れられません。この年、絶好調だった堀琴音は4週連続でトップ10に入るも、優勝にはあと一歩で届きませんでした。可愛らしいルックスからファンも多く、「来週こそ優勝!」と大勢から期待されたメジャー大会「日本女子オープン」は最終日、首位に躍り出ます。ところが最終組より前にプレーしていたアマチュア選手が18番ホールで驚異のバーディーを奪い、逆転されてしまうのです。1点差で18番を迎えた堀はバーティーを取ることができず、涙を飲むことになりました。このアマチュア選手が畑岡奈紗。国内メジャー史上初のアマチュア優勝でした。奇遇なことに、堀琴音と畑岡奈紗は予選ラウンドを一緒にまわっていました。堀は試合後のインタビューでこう述べています。「予選ラウンドの時に(畑岡さんと)一緒にまわりました。天才が1人きたと思いました。勝つべき人だと思いました。でもプロが勝たないといけないと思うので、負けたことは本当に情けないと思います」

堀琴音は、その日を堺に上位に入ることがが少なくなり、昨年レギュラーツアーに出れた試合はわずか3つで全て予選落ち。だからこそ、今大会の活躍は特別です。堀琴音は今日最終日でボギーが1つもなかった、唯一の選手でした。優勝には届きませんでしたが、通算3アンダーの堂々の8位。レギュラーツアーでトップ10入りは3年半振り。インタビューで「涙が出そうです」と答えていたようですが、昔からのファンも嬉し泣きしたことでしょう。今年は姉妹一緒に大活躍してほしいですね。

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来週の国内女子ツアーは、Tポイント×ENEOS ゴルフトーナメント(鹿児島高牧カントリークラブ)です。

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